ブックタイトルカテーテル関連尿路感染の予防のためのCDCガイドライン 2009|株式会社メディコン
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カテーテル関連尿路感染の予防のためのCDCガイドライン 2009|株式会社メディコン
菌の閉鎖式導尿システムが導入されて細菌尿の危険性が著しく減少したが 23 、これは内腔面ルートの重要性を示唆している。しかし、閉鎖式導尿システムであっても、時間の経過とともに、滅菌システムの破断または外腔面ルートを通しての細菌尿が必然的に発生する 24 。カテーテル留置による細菌尿の 1 日あたりの危険性は 3 ~ 10% であり 25, 26 、30日後 (カテーテル留置の短期と長期との境界日数と考えられる ) には、100% に近づく 27 。カテーテルおよび導尿システムの表面での尿病原体によるバイオフィルム形成が長期カテーテル留置にて一様に起こる 28 。時間の経過とともに、尿道カテーテルにコロニーが形成され、微生物がバイオフィルム内に付着したまま生息して、抗菌薬と宿主防御に対する抵抗性を獲得するため、カテーテルを抜去することなく根絶するのが実質上不可能になる。CAUTI の病因におけるバイオフィルム内の細菌の役割は不明であり、今後更に研究を必要とする分野である。2006 年から 2007 年にかけて NHSN へ報告している病院において、CAUTI(ASB とSUTI の両方 ) に関連する病原体で最も多かったのは、大腸菌 (21.4%) とカンジダ属(21.0%) であり、腸球菌属 (14.9%)、緑膿菌 (10.0%)、肺炎桿菌 (7.7%)、エンテロバクター属 (4.1%) と続いた。割合は低いが、他のグラム陰性細菌やブドウ球菌属によるものもあった 5 。尿病原体の抗菌薬耐性は増加の一途をたどる問題である。CAUTI 症例から分離された大腸菌株の約 4 分の 1、緑膿菌株の 3 分の 1 はフルオロキノロン耐性であった。第 3 世代セファロスポリンとカルバペネムを含む他の薬剤に対するグラム陰性病原体の耐性も深刻であった 5 。多剤耐性 (4 つのクラスの全薬剤に対する非感受性と定義 ) であった微生物の割合は、緑膿菌が 4%、肺炎桿菌が 9%、アシネトバクター・バウマニが 21% であった 29 。日本語訳26< 日本語訳 > Ⅴ. 背景