ブックタイトルカテーテル関連尿路感染の予防のためのCDCガイドライン 2009|株式会社メディコン

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概要

カテーテル関連尿路感染の予防のためのCDCガイドライン 2009|株式会社メディコン

Ⅷ.エビデンスレビューQ1. 誰が尿道カテーテルを必要とするか ?この疑問点に答えるために、A) いつ尿道カテーテル留置が必要か、B)CAUTI の危険性因子は何か、C) 尿道カテーテルに関連した死亡の危険性が最も高いのはどのような集団か、以上関連のある疑問点 3 つに焦点を絞った。Q1A. いつ尿道カテーテル留置が必要か ?有効データでは主な集団 5 つを調査していた。すべての集団において、CAUTIアウトカムのほか、カテーテル留置の危険性と有益性の比較検討に肝要であるとみなした他のアウトカムについても検討した。この疑問点に関するエビデンスは系統的レビュー1 件 37 、RCT9 件 38-46 、観察研究 12 件 47-58 から成る。エビデンスレビューの所見と全重要アウトカムに関するグレードはエビデンスレビュー表 1A で示している。手術患者に関しては、低質エビデンスが尿道カテーテル留置を避ける有益性を示唆した 37-44, 47-49 。この根拠は、細菌尿 / 不特定の UTI 危険性が減少していること、膀胱損傷への影響がないことであり、またカテーテルをしていない患者の尿閉の危険性が増加していることであった。カテーテルをしていない患者の尿閉は泌尿器科手術後に特に見られた。研究対象となった最も一般的な手術は、泌尿器科手術、婦人科手術、腹腔鏡手術、整形外科手術であった。我々の検索では、カテーテル留置の術中血行動態管理への影響についてのデータは見つからなかった。尿失禁患者に関しては、低質エビデンスが尿道カテーテルの留置を避ける有益性を示唆した 45, 50-52 。この根拠は、持続的コンドーム型カテーテルをしている男性と比較して、尿道カテーテルをしていない療養所の男性入所者において SUTI と細菌尿 / 不特定 UTI両方の危険性が減少していることであった。夜間のみコンドーム型カテーテルを使用することと、カテーテルを全く使用しないこととの間には UTI 危険性の差異は確認できなかった。我々の検索では、カテーテル留置の皮膚創傷への影響に関するデータは見つからなかった。膀胱出口部閉塞患者に関しては、超低質エビデンスが留置カテーテルと比較しての尿道ステントの有益性を示唆した 53 。この根拠は、尿道ステント留置患者で細菌尿の危険性が減少していることであった。我々の検索では、カテーテル留置とステント留置の尿路合併症に対する影響の比較についてのデータは見つからなかった。脊髄損傷患者に関しては、超低質エビデンスが尿道留置カテーテルを避ける有益性を示唆した 54, 56 。この根拠は、留置カテーテルをしていない患者 ( 自然排尿、清潔間欠導尿、および外尿道括約筋切開術を受けコンドーム型カテーテルで管理した患者を含む )では SUTI と細菌尿の危険性が減少していることのほか、血尿、結石、尿道損傷 ( 瘻孔、糜爛、狭窄 ) を含む尿路合併症の危険性が低いことであった。脊髄髄膜瘤と神経因性膀胱の小児患者に関しては、超低質エビデンスが尿路変向または自己排尿と比較しての清潔間欠導尿の有益性を示唆した 46、57、58 。この根拠は、尿路変向と比較して清潔間欠導尿患者における細菌尿 / 不特定 UTI 危険性が減少しているこ日本語訳36< 日本語訳 > Ⅷ.エビデンスレビュー