ブックタイトルカテーテル関連尿路感染の予防のためのCDCガイドライン 2009|株式会社メディコン

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概要

カテーテル関連尿路感染の予防のためのCDCガイドライン 2009|株式会社メディコン

監訳の言葉1981 年に CDC が「尿道カテーテルにおける感染の予防のためのガイドライン」を公開してから既に 28 年が経過した。その間にカテーテル関連尿路感染を予防するための数々の新しい技術の発展や知識の向上がみられ、急性期施設のみならず長期療養型施設や外来の患者、尿道カテーテルが長期間必要な患者への対応も必要となってきた。そのような背景から、2009 年 11 月、CDC は旧ガイドラインを改訂し、「カテーテル関連尿路感染の予防のためのガイドライン」を公開した。尿路感染症は最も多くみられる医療関連感染症であることが知られている。そして、殆どの医療関連尿路感染が尿路での器具使用に起因している。カテーテル関連尿路感染は、罹患率、死亡率、病院コストを増加させて入院期間を延長してしまうばかりでなく、細菌尿を誘導するため、不要な抗菌薬の使用の原因にもなっている。また、導尿システム自体が多剤耐性菌の温床となったり、他の患者への伝播源となることがあり、その有益性と有害性の折り合いをどのようにしてとるかというのが感染対策上の課題となっている。この・・・・ようなことから、尿道カテーテルの適正な使用や管理が常に強く求められることとなった。改訂ガイドラインでは、カテーテル関連尿路感染の予防の一般原則について旧版からの変更はないが、エビデンスと勧告との明白な関連性を示すことを目的として、改良型GRADEシステムアプローチを採用したのが興味深い。従来より、CDC はエビデンスに基づいたガイドラインを作成しているが、このガイドラインは更に進化したものとなっており、日本の EBM(Evidence based medicine) の世界に大きな波紋をなげかけるのは確実である。本書が日本の医療施設における感染対策の向上に役立つことを期待するものであり、感染対策チームの座右の書となれば幸いである。最後に、この CDCガイドラインを迅速に翻訳されて日本の医療に貢献している株式会社メディコンに心から感謝の意を表すものである。平成 22 年 1 月吉日県西部浜松医療センター矢野邦夫1