ブックタイトルカテーテル関連尿路感染の予防のためのCDCガイドライン 2009|株式会社メディコン

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概要

カテーテル関連尿路感染の予防のためのCDCガイドライン 2009|株式会社メディコン

Q2C.3. 膀胱洗浄低質エビデンスは、留置カテーテルまたは間欠式カテーテルをしている患者における膀胱洗浄の有益性を示唆しなかった 66,69,199-206,240-242 。この根拠は、SUTI に差異がなかったことと、細菌尿に関して所見が不均一であったことであった。Q2C.4. 採尿バッグへの消毒薬の滴下低質エビデンスは、採尿バッグでの消毒薬の滴下の有益性を示唆しなかった 90,207-211,243-245。この根拠は、SUTI に差異がなかったことと、細菌尿に関して結果が不均一であったことであった。Q2C.5. 尿道口周囲ケア低質エビデンスは、CAUTI を予防するためのカテーテル留置前または処置中での消毒薬を用いた尿道洗浄法の有益性を示唆しなかった 65,67,68,88,158,212-216,246,247 。この根拠は、尿道口周囲ケア法を受けている患者と受けていない患者において、細菌尿の危険性に差異がなかったことであった。1 件の研究において、尿道培養が陽性の女性から成る集団と、抗菌薬を受けていない患者において、尿道 -カテーテル接触部の洗浄 (ポビドンヨードの1 日 2 回の塗布または緑石けん水の非消毒性溶液による 1 日 1 回の洗浄 ) で、細菌尿の危険性が高かったことが判明した。カテーテル挿入前のクロルヘキシジンによる尿道口周囲の洗浄は、2 件の研究で効果が確認されなかった。日本語訳Q2C.6. カテーテルまたはバッグの定期交換低質エビデンスは、CAUTI を予防するためのカテーテルまたは採尿バッグの定期交換の有益性を示唆しなかった 102,217-219,248,249 。この根拠は、必要に応じた交換と比べて、定期交換やより頻繁な交換でも SUTI について差異がなかったり危険性が増加したりしたことと、細菌尿についても差異がなかったことであった。ナーシングホーム居住者についての 1 件の研究では、閉塞または感染がみられたときだけカテーテルを交換することと比較して、月 1 回の定期交換では SUTI において差異がなかったが、その研究は差異を認めるだけの十分なものではなかった。在宅ケア患者についての 1 件の研究は、月 1 回よりも頻回にカテーテルを交換すると、SUTI 危険性が増加することを確認した。Q2C.7. カテーテル潤滑剤超低質エビデンスが、カテーテル挿入に潤滑剤を使う有益性を示唆した 167,220-223,250-254 。この根拠は、患者が潤滑剤を塗ったカテーテルと比べて、事前に潤滑されているカテーテルを使用した場合に SUTI と細菌尿の危険性が減少したことと、潤滑剤を使用しない場合と比べて、使用した場合には細菌尿の危険性が減少したことであった。研究は、研究対象の介入とアウトカムの両方において不均一であった。消毒潤滑剤を非消毒潤滑剤と比較している一部の研究では有意差は確認されなかった。46< 日本語訳 > Ⅷ.エビデンスレビュー