ブックタイトル血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

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概要

血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

背景情報用語とリスクの推定値各種カテーテルの識別に使われる用語は紛らわしい。多くの臨床医や研究者が内々の参考用としてカテーテルの様々な側面を使用するからである。カテーテルは様々な側面によって命名される。すなわち、留置される血管の種類(例:末梢静脈、中心静脈、動脈)、使用期間(例:一時的または短期的vs恒久的または長期的)、挿入部位(例:鎖骨下、大腿、内頸、末梢、末梢挿入型中心静脈カテーテル[PICC])、皮膚から血管への経路(例:トンネル型vs非トンネル型)、長さ(例:ロングvsショート)、カテーテルの特性(例:カフの有無、ヘパリン、抗菌薬または抗菌物質の含浸、ルーメン数)によって決められているのである。特定タイプのカテーテルを正確に定義するには、こうした側面のすべてについて記述する必要がある(表1)。同様に、血管内留置カテーテル由来感染症を表すのに使われる用語も混乱を招くおそれがある。カテーテル由来血流感染症(CRBSI)と中心ライン関連血流感染症(CLABSI)は意味が異なるにもかかわらず区別されずに使用される場合が多い。CRBSIは、患者の診断・治療時に使用する臨床上の定義であり、BSIの原因としてカテーテルをより綿密に特定する一定の臨床検査を要するものであり、サーベイランス目的に使用されることはあまりない。多くの場合、患者の臨床上の必要性(カテーテルは必ずしも抜去されるとは限らない)、使用できる微生物検査法の制約(多くの検査室は定量的血液培養法やDTP[陽性化までの時間差]法を使用していない)、直接ケア要員による手続の遵守(ラベリングが正確でなければならない)といった要因があるため、BSIがCRBSIであるかどうかを正確に確定することが問題になる。サーベイランス目的ではもっと単純な定義がよく使われる。例えば、CLABSIはCDCの全米医療安全ネットワーク(NHSN)が使用する用語である(NHSN CLABSI情報を参照)[206]。CLABSIは、BSI発症前の48時間以内に中心ラインを留置された患者での原発性BSIであり、別部位の感染症に由来する血流感染症ではない。しかし、BSIには中心ライン以外の他の原因(例:膵炎、粘膜炎)に続発し、しかも容易に識別できない場合もあることから、CLABSIのサーベイランス用の定義はCRBSIの真の発生率を過大評価することもある。14