ブックタイトル血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

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概要

血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

成人・小児患者における疫学と細菌学CLABSI率の全米推定値は、CDCのNHSN(医療関連感染症のサーベイランスシステム)を通して入手できる。またCDCのウェブサイトでも入手可能である。最新報告では、ICUや非ICU(例:患者ケア域、病棟)1カ所以上で感染症を監視する1,545病院(米国48州およびコロンビア特別区)からのデータに重点を置いている[207]。BSI率は、疾患の重症度と疾患の種類などの患者由来因子(例:第3度熱傷vs心臓手術後)、カテーテル由来因子(例:カテーテルの留置状態、カテーテルの種類)、そして、施設因子(例:床数、大学提携関係)の影響を受けることから、こうしたリスクを調整した総BSI率を基準とすることで、病院が施設内比較や施設間比較を行うことができる。最もよく報告されている病原体は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、腸球菌、カンジダ属であることに変わりない[208]。グラム陰性桿菌は、CDC[209]と疫学的重要病原体サーベイランス・管理(SCOPE)のデータベースに報告されたCLABSI病原体の19%と21%をそれぞれ占めていた[208]。CLABSIを引き起こす一般病原体すべてに関して、抗菌薬耐性はとりわけICUにおいて問題である。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が現在ICUで採取される全黄色ブドウ球菌分離株の50%超を占めるが、MRSA CLABSIの発生率は近年減少しており、これは予防策が奏功していると考えられる[210]。グラム陰性桿菌に関して、肺炎杆菌と大腸菌での第3世代セファロスポリンに対する抗菌薬耐性は著しく増加し、緑膿菌でのイミペネム耐性とセフタジジム耐性も同様に増加している[209]。カンジダ属はフルコナゾール耐性があることでますます注目されている。16