ブックタイトル血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

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概要

血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

カテーテルと部位の選択末梢カテーテル・ミッドラインカテーテルに関する勧告1.成人患者では、カテーテル挿入には上肢を使用する。カテーテルが下肢に挿入されている場合は、できるだけ早く上肢に挿入し直す。カテゴリーII2.小児患者では、上肢もしくは下肢または頭皮(新生児または乳児の場合)をカテーテル挿入部位として使用できる[32, 33]。カテゴリーII3.使用の目的と期間、既知の感染性・非感染性合併症(例:静脈炎や血管外漏出)、カテーテル挿入施行者の経験を踏まえてカテーテルを選択する[33-35]。カテゴリーIB4.血管外遊出が起これば組織壊死を招くおそれがあるため、輸液剤や薬剤の投与に金属針の使用を避ける[33, 34]。カテゴリーIA5.静注療法期間が6日を超えると見込まれるとき、ショートタイプの末梢静脈カテーテルではなく、ミッドラインカテーテルまたは末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)を使用する。カテゴリーII6.圧痛を確認するためドレッシングを介して触診で日常的にカテーテル挿入部位を評価し、また透明ドレッシング使用の場合は視診でも評価する。ガーゼと不透明ドレッシングは、患者に臨床徴候が見られない場合は外す必要はない。局所圧痛またはその他CRBSIが見込まれる徴候が患者にある場合は、不透明ドレッシングを外して部位を視診する。カテゴリーII7.患者に静脈炎の徴候(熱感、圧痛、発赤、触知可能な静脈索)あるいは感染症の徴候があるか、カテーテルの機能不全が見られる場合、末梢静脈カテーテルを抜去する[36]。カテゴリーIB中心静脈カテーテルに関する勧告1.感染性合併症を減らすために推奨部位に中心静脈器具を留置することのリスクとメリットを、機械的合併症(例:気胸、鎖骨下動脈穿刺、鎖骨下静脈裂傷、鎖骨下静脈狭窄症、血胸、血栓症、空気塞栓症、カテーテル誤留置)のリスクと比較して考慮する[37-53]。カテゴリーIA2.成人患者では中心静脈アクセスに大腿静脈の使用を避ける[38, 50, 51, 54]。カテゴリーIA3.非トンネル型CVC留置に伴う感染リスクを最小限に抑えるため、成人患者では、頸部や大腿部位ではなく、鎖骨下部位を使用する[50-52]。カテゴリーIB4.トンネル型CVCの感染リスクを最小限に抑えるための優先挿入部位に関して勧告を行うことはできない。未解決問題5.鎖骨下静脈狭窄症を避けるため、血液透析患者および進行腎疾患患者では鎖骨下部位を避ける[53, 55?58]。カテゴリーIA6.慢性腎不全患者では透析用常設アクセスにCVCではなくAVシャントまたはグラフトを使用する[59]。カテゴリーIA7.カニューレ挿入の試行回数と機械的合併症を減らすため、中心静脈カテーテルの留置に超音波ガイダンスを使用する(利用できる場合)。超音波ガイダンスはその使用に熟練した者のみが使用するものとする[60-64]。カテゴリーIB8.患者の管理に必要最小限のポート数またはルーメン数を有するCVCを使用する[65?68]。カテゴリーIB19