ブックタイトル血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

ページ
27/74

このページは 血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン の電子ブックに掲載されている27ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

皮膚の前処置勧告1.末梢静脈カテーテル挿入前に消毒薬(70%アルコール、ヨードチンキまたはグルコン酸クロルヘキシジンアルコール製剤液)で皮膚を前処置する[82]。カテゴリーIB2.中心静脈カテーテルおよび末梢動脈カテーテル挿入前とドレッシング交換時に>0.5%クロルヘキシジンアルコール製剤液で皮膚を前処置する。クロルヘキシジンに対する禁忌がある場合、ヨードチンキ、ヨードフォア、70%アルコールのいずれかを代替消毒薬として使用することができる[82, 83]。カテゴリーIA3.皮膚消毒でのクロルヘキシジンアルコール製剤とポビドンヨードアルコール製剤の使用比較は行われていない。未解決問題4.生後2カ月未満の乳児でのクロルヘキシジンの安全性と有効性に関して勧告を行うことはできない。未解決問題5.消毒薬はカテーテル留置前に製造元の推奨に従って乾燥させる[82, 83]。カテゴリーIB背景十分に設計された2件の研究において、血管内留置カテーテル挿入部位のケアに関して、ポビドンヨードまたはアルコールとの比較でクロルヘキシジン含有の皮膚消毒薬による処置を評価したところ、クロルヘキシジンの使用と関連してカテーテルコロニー形成またはCRBSIの割合が低いことが明らかになっている[82, 83]。(ちなみに、グルコン酸クロルヘキシジンアルコール製剤とポビドンヨードアルコールとの比較は行われていない。)0.5%クロルヘキシジンチンキは、10%ポビドンヨードと比較して、中心静脈カテーテル(CVC)コロニー形成またはCRSBIの差は見られなかった[256]。3つの消毒薬の比較研究(2%グルコン酸クロルヘキシジン水vs 10%ポビドンヨードvs 70%アルコール)では、2%グルコン酸クロルヘキシジン水は、10%ポビドンヨードまたは70%アルコールと比較して、CRBSIを減少させる傾向があった[82]。カテーテル事例4,143件についてのメタ分析では、ポビドンヨードと比較して、クロルヘキシジン製剤はカテーテル由来感染リスクを49%(95%CI 0.28~0.88)低減していることが示唆された[257]。入手可能なエビデンスに基づく経済的決定分析では、CVCケアにポビドンヨードよりもクロルヘキシジンを使用することで、CRBSI発生率の1.6%低下、死亡発生率の0.23%低下、使用カテーテル1本あたり113ドルの節減につながることが示唆された[258]。クロルヘキシジンは中心静脈カテーテル、末梢静脈カテーテル両方の挿入のための皮膚消毒で標準消毒薬となっているが、70%エタノール含有の5%ポビドンヨード液も、10%ポビドンヨード液と比較して、CVC由来のコロニー形成と感染の大幅な低減と関連していた[259]。24