ブックタイトル血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

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概要

血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

抗菌薬/抗菌物質含浸カテーテルとカフ勧告クロルヘキシジン/スルファジアジン銀またはミノサイクリン/リファンピン含浸CVCは、包括的なCLABSI率低減対策の導入後もCLABSI率が低下していない場合において、カテーテル留置が5日を超えると見込まれる患者に使用する。なお、包括的な対策には、カテーテルの挿入・維持管理を行う者の教育、マキシマル・バリアプリコーションの採用、CVC挿入中の>0.5%クロルヘキシジンアルコール製剤での皮膚消毒、以上3つの措置が少なくとも盛り込まれていなければならない[106?113]。カテゴリーIA背景抗菌薬または抗菌物質がコーティングまたは含浸されている特定のカテーテルとカフは、CRBSIリスクを低減できるほか、その採用には追加費用がかかるものの、CRBSI治療に関連する病院経費を削減する可能性がある[110]。抗菌薬/抗菌物質含浸カテーテルに関する研究のほぼすべてが、カテーテル留置30日未満の成人患者においてトリプルルーメンのカフなしカテーテルを使って行われている。研究の大半は成人患者を対象としていたが、トリプルルーメンのカフなしカテーテルは体重3kgを上回る患者での使用にFDAが承認しているものである。小児ICU患者での非無作為化研究2件[112, 113]では、このカテーテルがカテーテル関連感染リスクを低減できるかもしれないことが示唆されている。なお、抗菌物質または抗菌薬含浸カテーテルで体重3kg未満の乳児に使用できるものは現在ない。クロルヘキシジン/スルファジアジン銀外面のみクロルヘキシジン/スルファジアジン銀がコーティングされているカテーテルは、CRBSIを減少させる手段として研究されている。第1世代のカテーテルに関するメタ分析2件[1, 263]では、この種のカテーテルは標準的な非コーティングカテーテルと比較してCRBSIリスクを低減することが示されている。1つの研究ではカテーテル留置期間は5.1日から11.2日にわたった[264]。第2世代のカテーテルが現在提供されているが、これは拡張セットとハブにまで及ぶ内面がクロルヘキシジンで覆われていて、外腔面がクロルヘキシジンとスルファジアジン銀で覆われている。外面のクロルヘキシジン量は第1世代の3倍で表面に結合している抗菌物質の放出が長く持続する。第2世代のカテーテルについての前向き無作為化研究が3件ある。いずれもカテーテルコロニー形成で有意な低下を示したが、症例数が不十分であるためCRBSIの差を示すことはなかった[106?108]。抗感染活性が延びたことで、感染予防効果が向上する[265]。稀にではあるが、このクロルヘキシジン/スルファジアジン銀カテーテルの使用によるアナフィラキシーが観察されている[266?270]。クロルヘキシジン/スルファジアジン銀カテーテルは標準カテーテルよりも高価である。しかし、他の予防策(例:マキシマル・バリアプシコーションと無菌操作)の徹底にもかかわらずCRBSIのリスクが高い環境において、クロルヘキシジン/スルファジアジン銀カテーテルを使用することで、1カテーテルあたり68ドルから391ドルの経費節減につながることを示唆する分析がある[271]。このカテーテルの使用は、ICU患者、熱傷患者、好中球減少症患者、その他感染率が1,000カテーテル日あたり3.3を超える患者集団で費用効果に優れているかもしれない[264]。ミノサイクリン/リファンピンある多施設間無作為化試験によると、内外面をミノサイクリン/リファンピンで含浸したCVCは、第1世代のクロルヘキシジン/スルファジアジン銀含浸カテーテル銀と比較して、CRBSI率が低いことが示されている[109]。その薬効はカテーテル留置6日目を29