ブックタイトル血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

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概要

血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

過ぎてから始まった。平均留置期間が60日を超えるシリコン製のミノサイクリン/リファンピン含浸CVCは、CRBSIの低減に効果的であることが示されている[111]。ミノサイクリン/リファンピン耐性微生物は現在のところこれらの研究では報告されていない。2件の試験で、このカテーテルの使用が非コーティングカテーテルと比較してCRBSIを有意に減らすことが示されている[110, 111]。対照研究については、第2世代のクロルヘキシジン/スルファジアジン銀カテーテルを使ったものは今のところ発表されていない。耐性を獲得する可能性に関係する懸念はあるが、そのリスクが低いことを明らかにした前向き臨床試験がある[272, 273]。さらに、カテーテルの使用に関係するミノサイクリンまたはリファンピンへの耐性については臨床環境ではまだ記録されていない。決定モデル分析を使用した研究2件で、このカテーテルが第1世代のクロルヘキシジン/スルファジアジン銀カテーテルと比べて経費節減効果が優れていることが明らかにされている[274, 275]。第2世代のカテーテルと比較した、この種の分析を行う必要があるが、ベースライン感染率が減少しカテーテルのコストが減少することから、費用便益比率が変化する見込みが高い。クロルヘキシジン/スルファジアジン銀、ミノサイクリン/リファンピンいずれの含浸カテーテルを使用するかの決定は、”バンドル”された標準手順(例:従事者の教育、マキシマル・バリアプリコーションの施行、皮膚消毒のための>0.5クロルヘキシジンアルコール製剤液の使用)を行った後にCRBSI予防を強化する必要性を踏まえるとともに、耐性病原体の出現の懸念とこの対策の導入コストとのバランスを考慮しなければならない。プラチナ/銀プラチナ/銀含浸カテーテル(銀イオン導入カテーテル)は米国で使用に供されている。このカテーテルと非コーティングカテーテルとを比較した前向き無作為化研究がいくつか公表されている[276?279]。そのうちの1件ではカテーテルコロニー形成とCRBSIの罹患密度の低下を示しているが[278]、他の研究ではカテーテルコロニー形成またはCRBSIについて、含浸カテーテルと非含浸カテーテルとの差は確認されていない[39, 276, 277]。この点から、こうしたカテーテルの使用または不使用に関して確たる勧告はできない。30