ブックタイトル血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

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概要

血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

末梢・ミッドラインカテーテルの交換勧告1.成人患者では、末梢カテーテルは、感染と静脈炎のリスクを減らすために、72~96時間毎を超える頻度で交換する必要はない[36, 140, 141]。カテゴリーIB2.臨床上必要なときに限った成人患者での末梢カテーテルの交換に関して勧告はなされていない[142?144]。未解決問題3.小児患者では、末梢カテーテルは、臨床的に必要なときに限り交換する[32, 33]。カテゴリーIB4.ミッドラインカテーテルは、特定の徴候があるときに限り交換する。カテゴリーII背景静脈炎とカテーテル由来感染症を予防する方法として血管内留置カテーテルの定期交換が提案されている。ショートタイプの末梢静脈カテーテルの研究では、カテーテルの留置時間が72時間を超えると、血栓性静脈炎の発生とカテーテルの細菌コロニー形成が増加することが示されている[258]。しかし、静脈炎率は、末梢カテーテルの留置時間が96時間の場合と72時間の場合を比較しても、実質的に差はない[141]。静脈炎とカテーテルコロニー形成がカテーテル由来の感染リスクの増加と関連づけられていることから、ショートタイプの末梢カテーテルの留置部位は、感染リスクの低減と静脈炎に関連する患者の不快感の軽減を図るため、72~96時間の間隔で交換するのが一般的になっている。一部研究では、72時間の計画抜去と適宜の抜去とを比較したところ、静脈炎とカテーテルの不具合の割合が同じであることが示唆された[142?144]。しかし、これらの研究ではCRBSIの問題が取り扱われていなかったことから、この対策によるCRBSIのリスクは十分に研究されていない。ミッドラインカテーテルは、ショートタイプの末梢カテーテルよりも、関連する静脈炎率が低く、CVCよりも感染率が低い[322?324]。ミッドラインカテーテル事例140件についての前向き研究では、カテーテルの使用が1,000カテーテル日あたり0.8のBSI率と関連していた[324]。カテーテル留置期間を含む特定のリスク因子は感染とは関連していなかった。ミッドラインカテーテルの留置期間の中央値は7日で、最大値は49日であった。この研究の所見から、ミッドラインカテーテルの交換は特別な適用があるときに限ることが示唆されているが、同カテーテルと関連するCRBSIの予防策として、定期交換のメリットを評価する前向き無作為化試験は行われていない。36