ブックタイトル血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

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概要

血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

CVC(PICCと血液透析カテーテルを含む)の交換勧告1. CVC、PICC、血液透析カテーテル、肺動脈カテーテルは、カテーテル由来感染を予防するためにルーチンに交換しない。カテゴリーIB2. CVCやPICCは発熱だけでは抜去しない。他で感染が明らかになっている場合や、発熱の非感染性原因が疑われる場合、カテーテル抜去の妥当性に関して臨床判断を用いる。カテゴリーII3.ガイドワイヤー交換は、感染を予防するために非トンネル型カテーテルに関してルーチンに行わない。カテゴリーIB4.ガイドワイヤー交換は、感染が疑われる非トンネル型カテーテルを交換するために行わない。カテゴリーIB5.ガイドワイヤー交換は、感染のエビデンスが存在しない場合において、機能不全の非トンネル型カテーテルを交換するのに行う。カテゴリーIB6.ガイドワイヤー交換を行うとき、新しいカテーテルを取り扱う前に、新しい滅菌手袋を使用する。カテゴリーII背景CRBSIを減らす方法としてカテーテルを定期的に交換しても、その割合が下がることはない。2件の試験で、カテーテルの交換を適宜行う対策と7日ごとに行う対策の比較評価が行われている[165,325]。一方の研究はCVC、肺動脈カテーテルまたは末梢動脈カテーテルを要する外科ICU患者112人を対象に行われ[165]、もう一方の研究は鎖骨下血液透析カテーテルのみが対象となっている[325]。いずれの研究も、カテーテルの交換を7日ごとに行った患者と、適宜行った患者との間にCRBSIの差は認められていない。ガイドワイヤー下での定期的なCVC交換が別のCRBSI予防策として提案されている。CVC管理を評価した無作為化対照試験12件のメタ分析では、カテーテルを適宜交換する場合と比較して、ガイドワイヤー交換によるCVCのルーチン交換を通してCRBSI率が低減することを示すことはできなかった[326]。したがって、CVCのルーチン交換は、カテーテルが機能していて局部的または全身的な合併症を引き起こすエビデンスがない場合は必要ない。ガイドワイヤー下のカテーテル交換は、機能していないカテーテルの交換や、観血的モニターが不要になったときに肺動脈カテーテルをCVCと交換する手法として認められている。ガイドワイヤー下のカテーテル挿入は、新しい部位に経皮的に挿入するより、不快感が軽減され機械的合併症率が有意に低減される[327]。さらに、この手法は、一部の患者における限定的な静脈アクセスを維持する手段にもなる。菌血症がある場合でのガイドワイヤー下の一時的なカテーテル交換は、感染源が通常挿入部位から静脈への皮膚経路のコロニー形成であることから、許容できる代替策ではない[37, 327]。しかし、トンネル型血液透析カテーテルを使用し菌血症のある特定の患者では、ガイドワイヤー下のカテーテル交換は、抗菌薬療法と併用することで、静脈アクセスが限られた患者での救済法としての代替手段となる[328?331]。小児では血管アクセス確保の困難さが増すため、カテーテルの交換頻度には注意する必要がある。生存分析法を使って小児ICU患者での中心静脈カテーテル留置期間と合併症との関係を調べた研究では、対象となった患者全員(n=397)が中央値で23.7日にわたり感染しない状態が続いた[250]。さらに、37