ブックタイトル血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

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概要

血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

臍帯カテーテル勧告1.臍帯動脈カテーテルは、CRBSI、下肢の血行不全、血栓症いずれかの徴候がある場合、抜去して交換は行わない[145]。カテゴリーII2.臍帯静脈カテーテルは、CRBSIまたは血栓症の徴候がある場合、抜去して交換は行わない[145]。カテゴリーII3.臍帯カテーテルを通しての抗菌薬治療の施行によるカテーテルの維持を図ることに関して、勧告を行うことはできない。未解決問題4.カテーテル挿入前に消毒薬で挿入部位を清拭する。新生児甲状腺に作用する可能性があるため、ヨードチンキは避ける。他のヨード含有製剤(例:ポビドンヨード)は使用できる[146?150]。カテゴリーIB5.局所適用する抗菌薬配合の軟膏やクリームは、真菌症と抗菌薬耐性を助長する可能性があるため、臍帯カテーテル挿入部位に使用しない[88, 89]。カテゴリーIA6.臍帯動脈カテーテルを通じて注入される輸液剤に低用量ヘパリン(0.25~1.0U/ml)を加える[151?153]。カテゴリーIB7.臍帯カテーテルは、不要になったときや下肢への血行不全の徴候が観察されるときは、できるだけ速やか抜去する。臍帯動脈カテーテルの場合、留置は5日以内とするのが最も望ましい[145, 154]。カテゴリーII8.臍帯静脈カテーテルは、不要になったときはできるだけ速やかに抜去しなければならないが、無菌管理されている場合は14日まで使用することができる[155, 156]。カテゴリーII9.臍帯カテーテルは、機能不全になっていてその他にカテーテル抜去の適応がなく、留置の総期間が臍帯動脈カテーテルの場合で5日、臍帯静脈カテーテルの場合で14日を超えていない場合、交換することができる。カテゴリーII背景臍断端部には出生直後にコロニー形成が多量に見られるが、臍帯血管カテーテル法が新生児での血管アクセスによく使われる。臍帯血管はカニューレを簡単に挿入することができ、血液検体の採取や血行動態の測定ができる。カテーテルコロニー形成とBSIの発生率は臍帯静脈カテーテルも臍帯動脈カテーテルも同じである。複数の研究で、臍帯動脈カテーテルの推定40~55%にコロニー形成が見られ、5%がCRBSIをもたらした。臍帯静脈カテーテルは症例の22~59%にコロニー形成が見られ[147, 148, 340]、症例の3~8%にCRBSIが見られた[148]。CRBSI率は臍帯カテーテルの位置が低位置(横隔膜より下で、大動脈分岐より上)であれ高位置(横隔膜より上)であれ同じだが、カテーテルが高位置に留置されていると、血管合併症の発症率が低く有害な続発症が増加することもない[148]。感染のリスク因子は臍帯動脈カテーテルと臍帯静脈カテーテルで異なる。ある研究では、10日を上回る期間で抗菌薬を投与された超低出生体重児で臍帯動脈CRBSIのリスクが高くなっていた[148]。一方、出生時体重が重く中心静脈栄養輸液を投与された新生児で臍帯静脈CRBSIのリスクが高くなっていた。カテーテル留置期間は、どちらの臍帯カテーテルに関しても感染の独立リスク因39