ブックタイトル血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

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概要

血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

別タイプの第2世代ニードルレスシステムでは、陽圧メカニカルバルブ7 (陽圧テクニックを使用しないでも自動で陽圧がかかる)またはニュートラル8 (陰圧がかからず自動でニュートラルな状態になる)システムにより、吸入された血液を外へフラッシュするか、点滴カテーテルへの血液の吸い込みを防止する仕組みを組み込むことで、この閉塞問題を解決している。ニードルレスコネクタまたはメカニカルバルブの使用は、三方活栓とキャップと比べると、すべての研究ではないものの[356]、一部研究[196, 354, 355]でコネクタコロニー形成の低減に効果的と思われる。ある研究[354]では、CRBSIの発生率は、ニードルレスコネクタと標準的な三方活栓とを比較して低減されたことが示されている。コネクタを通しての微生物の伝播を防ぐには、適切な消毒薬を使用しなければならない[357]。一部研究では、クロルヘキシジンアルコール製剤液でのデバイスの消毒はコロニー形成の低減に最も効果的と思われることが示されている[195, 196]。さらに、消毒薬の塗布に要する時間も重要な場合もある。ある研究ではルアーアクセスデバイスを70%アルコールで3~5秒間だけ拭い取っても中隔面が十分に消毒されていないことが明らかにされた[358]。しかし、複数のアウトブレイク調査で、プラスティックカニューレを必要とするスプリットセプタムニードルレスからメカニカルバルブへの切り替えに関連するCRBSIの増加が報告されている[197, 198, 200, 359]。この関連の理由は不明であり、また器具によってニードルレスコネクタの物性・機械特性が異なることもあって、デバイス固有関連であるのかクラス関連であるかも不明である。さらに、ある調査でCRBSIが陰圧メカニカルバルブから陽圧メカニカルバルブへの切り替えで増加したことが明らかにされている[199]。しかし、観察研究では、“バンドル”介入の一環として陰圧メカニカルバルブからもう一種類の陽圧マカニカルバルブへ切り替えた結果、CRBSIが有意に減少した[201]。こうした器具に関連したアウトブレイクの原因と考えられるものとして、プラスチック製ケース・ダイヤフラムインターフェースの物理的特性によるコネクタ表面の殺菌の難しさ、流体の流動性(層流対乱流)、内側面積、潜在的な流体のデッドスペース、不透明器具内の流路目視不良による器具のフラッシュ不足、特にカテーテルが採血に用いられる場合に微生物を宿す可能性のある内側のしわの存在が挙げられている[199]。一部研究では、ルアーアクセスデバイスへの変更に伴うCRBSIの増加は不適切な洗浄や感染管理対策(デバイスの交換頻度の少なさなど)に関係する場合があることが示されている[192, 194]。さらに、銀コーティングコネクタ弁は、市販についてFDA承認を受けているが、この器具に関して公表されている無作為化試験がなく、その使用に関して勧告を行うことはできない。同様に、ニードルレスコネクタ用の消毒薬バリアキャップは検査室環境で研究されて微生物の侵入防止に効果的と思われるが[360]、臨床試験はまだ行われていない。7.8日本では未発売45