ブックタイトル血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

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概要

血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011|株式会社メディコン

はじめに米国では毎年、集中治療部(ICU)における中心血管カテーテル(central vascular catheter)日(任意期間における任意患者集団の中心血管カテーテル留置延べ日数)は1500万日に達している[1]。研究では様々な形でカテーテル由来血流感染症(CRBSI:catheter-related bloodstream infection)が扱われている。この血流感染症は単独で病院経費の増加と入院期間の長期化を招くが[2-5]、単独で死亡率を上昇させることは総じて示されていない。CRBSIは毎年ICUで8万例発生しているものの[1]、病院全体を評価した場合、合計で年間25万例のBSIが発生していると推計されている[6]。複数の分析によって、この感染症の代償は罹患率・費用の両面において相当なものであることが示されており、患者アウトカムを改善して医療費を削減するために、医療従事者、保険業者、規制機関、患者擁護者が相当な関心をもって発症率の低下に取り組んでいる。取り組みは分野横断的であることが求められ、中心血管カテーテルの挿入・抜去を指示する医療従事者、その挿入管理を実施する医療従事者、感染管理従事者、医療管理者(経営者から財務担当者まで)、そして、カテーテルのケアに協力できる患者を巻き込む必要がある。効果的な予防プログラムの目的は全患者ケア分野からのCRBSIの根絶である。その達成は難しいが、確かに成功を収めているプログラムはある。とはいえ、根絶を持続的なものとするには継続的な努力が求められる。本ガイドラインで論じる措置では、個別の患者集団、人間環境下における微生物の一般的な存在、現行の対策と技術の限界を想定して、感染率を実現可能な限り引き下げることを目的としている。5